記録-GN001

今日は外からの来客がありました。

彼の体は硝子で形成されているようです。体には微細な気泡が含まれており、それらが陽の光を受けて白く光っていました。
彼が言うには、彼のいた世界では全ての物質が硝子でできており、どれも脆く透明なのだそうです。先日そこで硝子製の月と太陽が衝突してしまい、粉々になってしまう事件が起こりました。彼の右目に刺さった大きな破片は、その時に砕け散った月の成れの果てなのです。
「おれには必要ないものだから、欲しいならやるよ」と彼が言うので、私は月の欠片を譲り受けました。可能であれば彼の体をより詳細に検査してみたかったのですが、断られました。

硝子製の月の欠片は複雑に光を反射し、とても美しく輝いています。